年会長挨拶

このたび、第32回日本免疫毒性学会学術年会を、2025年9月4日(木)および5日(金)の2日間、岐阜市文化センターにて開催する運びとなりました。東海地方(中京圏)での開催は今回が初めてとなり、歴史と文化の薫る岐阜市にて本学術年会を開催できますことを、大変光栄に存じます。

本年会では、「免疫毒性研究のイノベーション創出への貢献を目指して」をテーマに掲げました。岐阜市は、戦国時代に織田信長公が「天下布武」の志を掲げ、新たな時代を切り拓いた地として知られています。信長公が革新と挑戦を重んじたように、私たちの免疫毒性研究もまた、科学的知見に基づき新たなイノベーションを生み出し、社会に貢献することが期待されています。

このような背景のもと、特別講演には医薬基盤・健康・栄養研究所の國澤 純先生をお迎えし、腸内環境と免疫毒性との関わりについて、最新の知見を交えてご講演いただく予定です。腸内環境は、アレルギーなどの免疫疾患にとどまらず、肥満、糖尿病、高血圧、がんといった生活習慣病、さらには認知症やうつ病にも深く関与していることが示唆されており、現在、非常に注目を集めている研究テーマの一つです。

また、教育講演には大阪大学大学院工学研究科の新間秀一先生をお招きし、質量分析イメージングの基礎から応用に至るまでをご紹介いただくことにしました。近年、様々なライフサイエンス分野での応用が期待されるこの技術について、免疫毒性研究への展開を考えるうえで非常に有意義な機会となるものと期待しております。

本年会では、免疫毒性研究の最前線でご活躍中の多くの研究者・専門家の皆様にご参集いただき、最新の知見を共有するとともに、今後の発展の方向性を議論する場となることを期待しております。異分野との融合や新たな視点の導入を通じて、革新的なアプローチが生まれる契機となれば幸いです。

なお、本学会では初年度年会費無料制度を設けております。初めて学会にご参加・ご発表いただく方には、初年度の年会費を無料とさせていただいておりますので、ご興味をお持ちの方はぜひこの制度をご活用いただき、ご参加いただければ幸いです。

歴史と文化の息づく岐阜の地において、未来につながる活発な議論が展開されることを心より願っております。皆様のご参加を、会員一同、心よりお待ち申し上げます。

令和7年5月吉日

第32回日本免疫毒性学会
学術年会
年会長 中西 剛
(岐阜薬科大学 衛生学研究室)